映画「藍に響け」和太鼓の視点で解説!③ 劇中に登場した和太鼓あるある

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 前回は、「どんな和太鼓が使われているのか?」という形で解説していきました!

今回は、映画の中で登場した「和太鼓あるある」について解説していきます。

和太鼓を長くやっている方ほど「あるある〜」と共感してくれるのではないでしょうか?

※映画のネタバレを含みますのでご注意ください。


 

 

 

初心者は素振りと声

 

 和太鼓部に入部した主人公環が、他のみんなとは別で1人で練習を続けていきます。

プライドの高い環は、基礎練習ばかりでなかなか太鼓に触れる事が出来ません。

そんな環をマリアは和太鼓の基本は素振りと声、初心者はみんなやること。

と優しく諭します。

 

 こちらの場面での「あるある」は初心者は「素振り」と「」から始まるという事です。

和太鼓を始めた環境によっては、あまりやっていない方も多いこととは思いますが、、、

(筆者もあまりやってきてなかったような・・・汗)

特に和太鼓部で初めて太鼓に触れた。という方は、「素振り」と「」から太鼓と

向き合い始めたのではないでしょうか。

 

和太鼓においてこの2つは大きな意味を持ちます。

 

素振り」は、太鼓を打つ事が慣れていない人が行うと格段にレベルが上がる練習です。

初心者だと太鼓を打つ事ばかりに意識がいってしまうので、リズムが合わなかったり

してしまいます。

和太鼓の曲は、音楽として音を合わせること、パフォーマンスとして魅せることが大切です。

その為、素振りは音を合わせる前に動きと曲を覚えるという事にあたります。

 

一方で「」に関しては、素振りと同時に声を出すことで自分の耳や頭で覚えやすくする為に

行なっています。

また、太鼓の曲の中では声を出して盛り上げる場面があったりするので

「声」を出すと言うことはその要素の練習も兼ねています。

 

本作もそうですが、「和太鼓部」は高校の部活動として、盛んになってきています。

高校の和太鼓部でコンテスト形式の大会も実施されているほどです。

参考:第34回富士山太鼓まつり

こちらの動画の富士山太鼓まつりの中で全国高校生太鼓甲子園という

高校の和太鼓部のみでの大会が開催されています。

その演奏は、とても圧巻で迫力があるので、興味のある方は生で聞いてみてはいかがでしょうか?

 

手がマメだらけ

 和太鼓を長時間打った時に良くなってしまう現象ですね。

作中では、環が和太鼓部の入部をかけて部長の寿と対決するシーンです。

 

内容は30分で8分音符の連打を打ち続けること

 

こちらのシーン、打ち始めてすぐに場面が進んで残り5分で終了という風になってしまいます。

終了の場面では、環がバチを血まみれにして、寿は倒れ込んでしまいます。

  

打ち続けるというのはとても大変なことです。和太鼓は全身運動なので

思っている以上に、早く疲れがやってきます。

 

どれだけかというと、日本の和太鼓集団のプロ DRUM TAO では、毎日1時間打ち込みます。

アマチュア団体の中でも、30分の打ち込みはとても辛い練習です。

まして、太鼓をほとんど触れていない環が20分以上手を止めずに続けることが

いかに負けず嫌いで、プライドが高いかがわかる場面となっています。

 

太鼓の練習を続けていると、どうしてもつい手に力が入ってしまうので、マメだらけになってしまいます。

太鼓を上手に打つには手に力を入れずに打つ事が重要になってくるので、マメができる箇所は

自分が打っているときに力を入れてしまっている箇所ということになります。

皆さんも自分の手のひらを確認してみてはいかがでしょうか?

 

自宅練習はタイヤ?

 和太鼓部に入部したできた環が和太鼓が上達していくシーンで

自宅での練習として、タイヤにタオルを巻いて練習に使用しています。

和太鼓は大きなものですし、大きな音が出てしまうので、自宅で打つのは難しい楽器です。

そこで、タイヤにタオルを巻いてそこを打つことで、音が出にくくバチを持って練習する事が出来ます。

この練習は映画の中だけではなく実際によく行われることが多い練習です。

和太鼓の練習は主に「スタジオ」「学校」「公共施設(公民館等)」等で行われるのですが、

和太鼓の大きな音と振動があるので、施設によっては和太鼓が不可になってしまう場合があったりします。

 

そんな時に太鼓を使わずにタイヤを代わりにして練習するということがあります。

夜の遅い時間帯や住宅が近くにある環境での練習で使用している方が多いかと思います。

タイコとタイヤ 少し似て居ますね(笑)

 

現在は、タイヤの代わりにドラムの練習パッドを使用したり諏訪工芸の「みるみる上達くん

こちらを使用している方も多いかと思います。


 

太鼓以外のものをすぐに叩いてしまう

 この「あるある」は、一番共感してもらえるのではないでしょうか?

 

和太鼓だけではなく「打楽器」あるあるにも当てはまるとは思いますが、

曲を覚えている時やふとした瞬間に近くにあるものを叩いてしまいます。

机や自分の膝は誰しも1度はあると思います。

 

作中では、板垣瑞生さんが演じる江守司が膝で練習しているシーンや

吹越満さん演じる江守雷太が包丁でネギトロを作る時にリズムを奏でていましたね。

また、雷太が筒井真理子さんが演じるシスターニッチェに和太鼓の想いを話すシーンで

その場にある置物を叩き「あぁ、木で出来てるのか」という

思わずクスッするシーンもあります。

運営者の1番のお気に入りのシーンです。(笑)

シスターニッチェに雷太が和太鼓の想いを話すシーン
シスターニッチェに雷太が和太鼓の想いを話すシーン 引用:映画「藍に響け」公式サイトより

 

 

映画の中では、まだまだ「和太鼓あるある」が収められています。ぜひ、探してみてくださいね。

次回は「藍に響け」和太鼓の視点で解説 最終回です。

最終回は、映画を彩る細やかなこだわりについて解説します。

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映画「藍に響け」

出演:紺野彩夏 久保田紗友 他

監督:奥秋泰男

原作:すたひろ「和太鼓†ガールズ」

 

映画公式サイトはこちら

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