こんにちは。HIROです。今回は、締太鼓について解説していきます。
和太鼓の中の高音域を出すことが出来る締太鼓の音色は聞いていて心地よいですよね。
締太鼓(しめだいこ)とは?
長胴太鼓の次に見たことがある方が多いこちらの太鼓が締太鼓です。
よくみる場面としては、お祭りで担がれるお神輿のそばで演奏されている
「お囃子」の楽器として使われています。(猿楽太鼓や附締太鼓とも呼ばれます。)
作りは、木でできた胴に牛の皮を当てて、紐やボルトで締め上げています。
締太鼓は何でできているの?
締太鼓の構成はシンプルです。
長胴太鼓と同じように「胴」の部分と「革」の部分
そして両者を締め上げる為の「紐」または「ボルト」の3つでできています。
「胴」は長胴太鼓と同じく「欅」を用いることが一般的ですが、
「タモ」などの目有り材や「ナツメ」を用いることもあります。
長胴太鼓とは違って、小さな太鼓になるのでくりぬきの胴でも比較的安価で購入することが出来ます。
「革」は牛の皮をあらかじめ強い力で鉄のリングに張ったものを使います。
締太鼓を締め上げる「紐」「ボルト」「ターンバックル」
締太鼓は長胴太鼓とは違って、自分自身で締め上げて好みの音を作り出す太鼓になります。
締め上げる為に「紐」「ボルト」を使用します。
また、「ターンバックル」で締め上げることもあります。
それぞれについての違いを表にまとめてみました。
素材 | 紐 | ボルト | ターンバックル |
---|---|---|---|
重さ | 軽い | 重い | やや重い |
締めやすさ | 難しい | 簡単 | やや簡単 |
音色 | 柔らかい | 固い | やや固い |
表にまとめたような違いがあります。
「ボルト」と「ターンバックル」は締める素材が金属を使用しているので大きな違いはありません。
両者の違いは見た目の部分が大きいです。
「ボルト」と「紐」の違いは、素材自体の重さと締めやすさにあります。
「ボルト」や「ターンバックル」はナットを締めるだけなので、
簡単に音の調整をすることが出来ますが、太鼓自体が重くなってしまいます。
それに対し、「紐」の締太鼓は締める方法を覚える事、
締め上げる事に時間を要してしますが、太鼓自体も軽く、柔らかい音を出すことが出来ます。
締太鼓はどんな大きさがあるの?
締太鼓の大きさは、長胴太鼓と違って太鼓の大きさを「丁」で表します。
どうして他の和太鼓は尺寸で表すのに締太鼓だけ「丁」なんだろう?
和太鼓は大きさを表すものに尺寸が使われます。
尺寸は面の大きさ(革の部分)が太鼓の大きさを決める基準となっています。
しかし、締太鼓は小さい大きさで高音を出さなければいけないので、
他の太鼓のように尺寸で表して太鼓毎の違いを出すことが出来ません。
その為、皮を張る為の鉄リングの太さ、革の厚さによって大きさを表します。
大きさは並附〜五丁掛まであり、面の大きさとしてはおよそ35㎝〜39㎝となるので
大きく変わるというほどではありません。
では、実際にどの程度の違いがあるか表にまとめてみました。
並附 | 二丁掛 | 三丁掛 | 四丁掛 | 五丁掛 | |
---|---|---|---|---|---|
面の大きさ | 35㎝ | 36㎝ | 36.5㎝ | 37.5㎝ | 39㎝ |
革の厚さ | 11㎜ | 19㎜ | 23㎜ | 26㎜ | 29㎜ |
胴の高さ | 15㎝ | 18㎝ | 21㎝ | 24㎝ | 24㎝ |
※上の表は目安になります。販売会社によっては大きさが異なる場合があります。
また、一丁掛という呼び方はなく「並附」と呼びます。
締太鼓が大きくなるほど、締めるのに技術と強い力が必要ですが、
その分高い音まで調整することが出来、より良い響きを生み出すことが出来ます。
次回は桶胴太鼓について解説します!
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